UniversalAudioのApollo Twinを使ってみた!
UAD Apollo Twinレビュー【クリーントーン1】
2014/09/21
ギター/ベースのレコーディングに最適な、UAD Apollo Twinを使って、Fender Telecaster でクリーントーンを作ってみました。
UAD Apollo Twinレビュー【クリーントーン#1】
さて,前回は基本機能のチェックなどの話でした!
新しいジャンルの製品ですので,基本機能の理解も大事。
なんですが,前置き長すぎるのはアレですので,
さっそくApollo Twinを使ったサウンド,チェックしていきましょう。
クリーントーン#1(Fender Telecaster)
使用ギターは,Fender Telecaster CS(’51)。
カスタムショップ製でメイプル指板,フロントはDuncanのミニハムにリプレイスしています。
まずはクリーン・トーンで,610プリアンプ,CS-1の音色などを見ていきます。
610マイクプリの音色をチェック
マイクプリアンプというのは録り音の音色を左右する,かなり重要な部分で,これはボーカルだけで無く,ギターやベースでも同様。
マイクプリアンプには,真空管とソリッドステートがあり,各社それぞれ工夫を凝らしていて,さまざまな名機が生まれたのですが,その中の一つに「UA 610」シリーズがあります。
現行のハードウェアとしては「SOLO/610 Classic Tube Preamplifier & DI Box」「2-610 Dual Channel Tube Preamplifier」があります。
SOLO/610 Classic Tube Preamplifier & DI Box
2-610 Dual Channel Tube Preamplifier
「Apollo Twin」にバンドルされている「UA 610-B Tube Preamp and EQ」は,このシリーズの一つ。
プラグイン化されていますが,UA 610特有のサウンドはかなりの精度で再現されています。
実は,以前,マイクプリアンプを探していたときに,SOLO/610を4〜5台試した事があるのですが,このUAD版「UA 610-B Tube Preamp and EQ」ほど,サウンドカラーがはっきりしている機種には出会いませんでした。
おそらく,プラグインを開発するにあたって,UAが持っているヴィンテージの中でも,一番コンディションが良く,サウンド・キャラクターがよく出ている実機を元にエミュレーションを行っているものと思われます。
この辺りは,開発元のUAにしかできない事ですね。
では,このUNISON技術対応の610プラグインを通すことによって,どのようにサウンドが変化するか比べてみましょう。
まず,Fender Telecasterのみのノーマル・サウンド。
これにUA 610を加えるとこうなります。
何もかけていない音と聞き比べると,音の雑味がとれた,締まったサウンドになっているのが解ると思います。
通常,ギタリストがアンプで音を出す場合には,プリアンプを使う事無く,アンプ直,あるいは,エフェクト経由でアンプに繋ぐ場合が多いですし,その方が良いサウンドが得られることが多いのですが,Hi-Z接続/ライン接続でレコーディングする場合には,プリアンプを工夫することによって,かなり音質に違いが出ます。
そして,この音質の違いは,この後のエフェクト処理にも大きな影響を与えます。
チャンネル・ストリップ「CS-1」を加える
UA 610を通してから,チャンネル・ストリップ「CS-1」を加えてみます。
少しハイが強調されたサウンドになっています。
コンプのサウンドも特徴的。
「CS-1」はチャンネル・ストリップで,イコライザー,コンプ,ディレイ/モジュレーター,リフレクター(反射=リバーブ)の4つのエフェクトが一つになっているプラグインです。
チャンネル・ストリップ「CS-1」
エフェクトは直列で,順番は変えることは出来ませんが,各セクションのオンオフは可能。
サウンド・キャラクターとしては,コンプもモジュレーションも効きが良く,カラーが強いので,4リズムのアンサンブルの中でも埋もれずに聞こえるサウンドも苦労しないで作れると思います。
感じとしては,ギタリストが慣れているコンパクト・エフェクターの効きに近く,わかりやすいサウンドで使いやすいと思います。
こちらは,コンプを強調した,ミュート&アルペジオ・サウンド。
モジュレーションもかけています。
少しゆっくりめのモジュレーションをかけた,オープン&アルペジオ・サウンド。
オープン&アルペジオのCS-1設定画面。
どちらもモジュレーションが特徴的ですね。
カッティング・サンプル2種類
次にカッティングのサウンドを作ってみます。
ピックアップはミドル。
ギターがH-S構成,メイプル指板なので,元々パリッとしたサウンドではあるのですが,EQの効きもいいので,このような特定の周波数帯を強調したサウンドも作ることができます。
カッティング01はこんな感じでした。EQは先に610でも調整しています。
CS-1のEQとコンプの替わりに,Pultec EQと1176を使ったカッティングのサンプルです。
ピックアップはフロント。
全体的にソフトでファットなサウンドとなっています。
このサンプルでは,コンプ(1176)を少し強めにかけて,サウンドカラーを強調しました。
ピックアップの位置によるサウンドの違いもありますが,CS-1とはサウンドキャラクターが変わっているのが解るかと思います。(1176については,別の回で書きますね。)
CS-1はシャープではっきりしたサウンドであることが特徴的。
サウンドメイクに必要なエフェクトが一通り含まれていて,一つの画面上で調整,オンオフができるため,エフェクト・ビギナーの方でも一つずつ試しながら音作りをしていくことができると思います。
最後に今回のサウンドサンプルを連続で聴けるプレイリストを載せておきます。
バリエーションとして,上に載せていないものも含まれていますので,よろしければ聴いてみてください。
次回は「クリーントーン#2」
さて,次回は「クリーントーン(2)」。
ギターをTyler Classic(S-S-H)にした場合にどうなるか?を見ていきます。
ていうか,ギターやピックアップの違いがこんなにしっかりと出るオーディオ・インターフェイスは初めてでした。
お楽しみに。
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